Luehdorfia japonica 岐阜蝶 Japanese Luehdorfia
IMG_1170イエローバンド蛹
      雌                落花生のような蛹
【特徴】
3月末から4月にかけて,雪解けや植物の芽生えとともに,山の林縁部などに真っ先に現れる春の女神である。蝶の愛好家にとって,1年の始まりはギフチョウを避けては通れない。まだ雪が部分的に残る山里の林縁部で,気温の上昇とともに,どこからともなく現れてカタクリなどで吸蜜する様を眺めることは,シーズンの到来を意味する。年1化性で春先しか現れないため,スプリングエフェメラル(Spring ephemeral:春のはかないもの,つかの間のもの)と呼ばれる。
岐阜県で最初に発見された日本の特産種で,本州でも局地的に分布。開発などによって減少が著しく,各地で保護活動が行われている。近似種ヒメギフチョウとの交雑も自然状態で観察される。外縁が黄色で縁どられたイエローバンド(長野県白馬村),後翅外縁部の赤班が橙黄班に入れ替わったイエローテール(長野県秋山郷や新潟県南部)などの遺伝型が存在する。
【分布】
現在では,本州の日本海側を中心に低山地の落葉広葉樹林の林床に生息する。各地で保護政策がとられているが,すでに絶滅した産地も多い。他の蝶と同様に,採集圧というより,宅地開発などの戦後の山里を取り巻く環境変化が大きい。秋田・山形県の県境,長野県の一部では,ヒメギフチョウとの混生が見られる。
【食草】
カンアオイ,ウスバサイシン
【生態】
出現時期は桜の開花とほぼ同期する。山間部や高地などでは雪解け状態により,出現時期が大幅にずれることがある。地域により,3月末から5月初旬にかけて羽化する。
【近似種との区別点】
本種は前翅先端の黄色の帯がズレるが,ヒメギフチョウはズレない。また,本種では後翅外縁部に橙色の帯があるが,ヒメギフチョウでは黄色になる。
【雌雄の違い】
交尾後の雌は黒い受胎嚢を付ける(ヒメギフは黄色)。雌は体の毛が少なく,背に茶色の毛を生じる。
【特記事項】