Fixsenia pruni(フィクセニア プルニ)林檎小灰 Black Hairstreak

P6040693 P6040701 リンゴシジミ 2020-06-14 225605
   雄      雌       雌
 
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 吸汁する雌    雌
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  卵       卵
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 蛹     蛹から出た寄生バチ

【特徴】
リンゴシジミという名前に拘らず,北海道ではリンゴの栽培はあまり多くはなく,そもそもリンゴの葉は食さない。pruniという学名もスモモを意味している。北海道でも極めて局地的に分布し,なかなかお目に掛かれない稀種である。裏面がビロード状で新鮮な個体はとても美しい。
【分布】
北海道のほぼ東半分に局地的に分布する。もともとはエゾノウワズミザクラやシウリザクラを食していたと思われ,農家のススモ栽培により各地へ広がったが,その後,離農やスモモの伐採により,現在では極めて局地的にしか生息していない。一時は札幌周辺で生育が拡大したが,現在は減少し北海道では稀有種の一つに数えらる。北見市など道東では生息地は多い。
【食草】
エゾノウワズミザクラ,シウリザクラ,スモモなど
【生態】
年1化性。卵で越冬する。6月中旬頃の短い期間に発生する。卵はスモモなどの樹の皺や凹凸部に1~数卵産み付けられるが,小さくて見つけづらい。通常,臙脂(えんじ)色をしているが白い卵もあるという。幼虫は緑色にピンク色の模様が入り美しい。寄生は少ないとされるが,5つ採蛹したところ,4つの蛹からハチが出てきた。
【近似種との区別点】

カラスシジミもスモモを利用しており,翅表だけではわかりにくいが,発生時期が異なることと,後翅裏面の黒点にリンゴシジミは白い縁取りが付くので区別できる。また,翅表の色は,本種の方が明るく,後翅亜外縁にオレンジ色の斑がある。
【雌雄の違い】
雌はやや大型で前・後翅にオレンジ色の斑が目立つ。また,雄にはわかりづらいが性斑がある。
【特記事項】