バタフライ備忘録

日本産の鱗翅目(チョウ類)についてまとめたものです。

カテゴリ: セセリチョウ科

Erionota torus (エリオノータ トールス実芭蕉挵 Banana SkipperPC122306 PC112299

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【特徴】

元来は東南アジアに生息する大型のセセリチョウ。1970年代に沖縄在中のアメリカ軍がベトナム戦争により持ち込まれたとされる。開張は70mm以上あり,前翅にクリーム色の斑紋がある。また真っ赤な眼が特徴である。

【分布】
沖縄本島,与那国島,石垣島に生息する。
【食草】
バナナなどのバショウ科。
【生態】
一年中複数回発生する。成虫の活動は主に夕方で活発に飛翔する。
【近似種との区別点】

【雌雄の違い】

雌は雄に比べ大型で翅形がやや丸いが,判別は困難。
【特記事項】

Leptalina unicolor(レプタリーナ ウニコロール)  銀一文字挵 Silver-lined Skipper
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【特徴】
他のセセリチョウのように,一直線に高速で飛ぶこともなく,おっとりした感じで,一見では蝶に見えない。名前の様に後翅裏面には銀色の一本の直線が目立つが,これは春型で夏型には見られない。翅を半開にし葉上で休むが,翅表は焦げ茶色のビロード状で,翅縁は金色に縁どられ,マントをまとったような優雅な姿になる。
【分布】
北海道から九州まで分布するが,生息場所はそう広くはなく,普通種ではない。スキー場のような草原や河川敷などにも見られる。
【食草】
ススキなど
【生態】
年2回発生する。寒冷地では年1回。越冬は若齢幼虫である。
【近似種との区別点】
近似種はいない。
【雌雄の違い】
一般的に蝶は雄より雌の方が翅形は丸みを帯びるが,本種は他の蝶と異なり雌の方が翅形が尖る。また,雌は腹部が大きい。
【特記事項】

Erynnis montana(エリュンニス モンターナ) Spring Flat 深山挵
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         雌                     雄
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        雄                   交尾
【特徴】
早春にギフチョウやヒメギフチョウを探しに行くときよく見かける。彼らと同様,Spring ephemeral(春の儚いもの)の一つである。翅表は樹皮模様をしており,年1回現れる。

【分布】
北海道から九州まで生息しているが,南西諸島には分布しない。 
【食草】
ミズナラ,クヌギ,カシワなど。
【生態】
春先に年1回発生する。幼虫で越冬する。
【近似種との区別点】
近似種はいない。
【雌雄の違い】
雌は前翅の中央に太い白い帯がある。また雄は前翅の前縁が反り返っている。
【特記事項】

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